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音楽配信でしか聴けないショスタコーヴィチ(1) ゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィル

2020.01.06(19:30) 5

Shostakovich: Symphony No. 4 (Live)
MUNCHNER PHILHARMONIKER GBR (2018-11-30)
売り上げランキング: 281

今更言うのもおこがましいが、2000年以降、CD不況が叫ばれて久しい。

ブランドとしてはEMIとBMGが消滅し、リアル店舗もかつての賑わいはない。
2012年には、新世紀になって下がり続けてきた生産枚数・売上が前年比を上回ったのもつかの間、その反動か、翌2013年には2011年を下回るといった有様で、以降、下がり続けている(2019年の統計はまだ出ていないが、恐らく下がっているだろう)。

その一方で、売上を伸ばしているのが音楽配信サービスだ。2018年は、ストリーミングがダウンロードを上回って話題となったり、アルバムが急速に縮小傾向となっている反面、トラック単位では急激な伸びを示し、結果的に音楽配信全体で見れば前年比113%という高成績を叩き出している。

Apple Music、Spotify、LINE MUSICがストリーミング・サービスの典型だ。ちなみに、クラシック音楽ファンにはお馴染みのNML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)もストリーミング・サービスである。

しかし、これらストリーミング・サービスの音楽配信は、1トラック何円ではなく、定額制(サブスクリプション・モデル)を採っているので、ダウンロード・サービスをストリーミング・サービスが売り上げで上回ったということは、ダウンロード・サービスの売り上げは相当落ち込んでいるのではないかと思う。サブスクリプションの月額料金は精々\1,000前後だろう。もちろん、1度契約してしまえば、何曲聴いても料金は変わらない。それが、ダウンロード・サービスの売り上げを抜いたのだから。

そういった状況の中、消費者(一般リスナー)が統計には現れない減少として注目すべきなのが、ディスクでは発売されず、音楽配信サービスでのみ購入できる商材(録音)の存在だ。また、かつて発売されていて、ずっと廃盤のままとなっている音源も多数見つけることが出来る。

普通の音楽好きなら、CDで聴くのも音楽配信(中でもストリーミング)で聴くのも同じことだろう。
しかし、ネットの常時接続はもちろん、5G(第5世代)の高速・大容量ネット通信技術も目の前に来ている今、ネット通販でCDを注文し、2,3日後に届いて(配送量によっては家にいて受け取らなければならない!)封を開け、パソコンやNASに取り込んでリッピングし、SDカードにコピーしたりDAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)に転送してやっと聴くことができる、なんてまどろっこしいことしていられない。

という
訳で、サブスクリプションのストリーミング・サービスで聴くにしろ、ダウンロード・サービスで聴くにしろ、今や、音楽配信サービスは音楽ファンにとって欠かせないツールとなっているのではないだろうか。もちろん、クラシックやジャズ、ワールド系といった、どちらかというと特殊な音楽形態は、「そもそも配信のラインナップに入っていない!」ってこともあるが、それはCD時代にも言えたことで(「いつまでもCD化されない! LP手放せないじゃん!」)、時代は繰り返すのだ。

■ここで本題
前置きが長くなってしまったが、この辺りで本題に行かねばならない。

今回ご紹介したいのは、ゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィルのタコ4・・・こと、ショスタコーヴィチの交響曲第4番だ。

ゲルギエフとミュンヘン・フィルの録音は、ミュンヘン・フィルの自主制作盤として、2017年にR・シュトラウスの《英雄の生涯》を皮切りに、ブルックナーの交響曲やマーラーの交響曲がCDで発売されている。最新盤はマーラーの第8番で、そろそろ店頭に並ぶはずだ(2020年1月6日現在)。

しかし、2018年末に配信が開始されたこのタコ4は、未だにCDにはなっていない。ついでに言えば、交響曲第9番と第15番の録音も配信されているが、未CD化のままだ。双方とも配信開始は2017年3月なので、これらがまだCDになっていないということは、このタコ4もしばらくはディスク化されないだろう。

演奏は、第4番が第9番や第15番よりも優れているばかりでなく、ゲルギエフの同曲盤の中で断トツの秀演だ。

なんと言っても、チェリビダッケ時代に培ったと思われる、バイエルン放送響同様の南ドイツのオーケストラ特有の明るいサウンドの中にある、重心の低い厚みのある響き(特に弦群)は、この曲にふさわしい。第9番や第15番では、それが裏目に出てしまっているかもしれない。

特に、ショスタコーヴィチの演奏でも使われているだろうロータリー・トランペットの輝かしく豊かな音色は、通常のHD音質(といってもCD同等)とUltra HD(24bit/96khz)とで最もよく違いの分かるポイントだ。


ドイツのオーケストラ、特にミュンヘン・フィルのショスタコーヴィチというと、かつてはチェリビダッケとの録音以外だとテンシュテットとの《革命》くらいしかなかったものだが、本盤(ん?盤ではないが)は文句なくミュンヘン・フィルのショスタコ録音の第1位である。

これ、本当にCDで出さなくていいのかなあ・・・。


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スタディ・スコア全滅のシベリウスの交響曲、第6番・第7番の廉価スコア発売!

2020.01.06(05:18) 3

今年の5月、シベリウス交響曲第6番と第7番スコアが、Dover社から当社お得意の合本版で出版されることが分かりました!

タイトルにもあるように、活論から言うと、現在、シベリウス(楽譜清書ソフトではありません)の交響曲の楽譜は、Dover社版で買う以外の選択肢はありません(出版されていないという意味ではありませんが)。
シベリウスの楽譜の出版事情については最後の方で話しますが、「Dover社って何?」「Doverのはちょっと・・・」という方々に向けて少し書かせていただきますね。
【画像をクリックするとAmazonの商品ページに飛びます】

Symphonies Nos. 6 and 7 in Full Score
Jean Sibelius
Dover Publications
売り上げランキング: 94,064

Dover社とは?
オーケストラスコアを読む」層には様々な人々がいます。
オーケストラの指揮者はもちろん、オーケストラに所属している演奏者もそうでしょう。
また、自分では演奏しなくても、録音やライヴを聴きながら(後者はちょっと厳しい)スコアを読むのが趣味だったり、音大生や評論家で、楽曲の分析ををしなければならないという人もいるでしょうし、単純にスコアを収集するのが趣味の人もいると思います。

いずれにしても、オーケストラのフル・スコアというのは、価格が高い。
日本版では2000円前後ですが、Boosey&Haukes社やUniversal社といった外国の出版社のものは大判で1万円するのもザラですし、スタディ・スコアでも5,6千円します。

そこで、スコア読みに優しい出版社が、Dover社です。

正直、Dover社の楽譜は、誤植が多く学術的には使えないとか、ヴァージョンが古いとか(それはそれで貴重なヴァージョンもありますけれど)、もっとマニアックには、練習番号やページが替わった際の楽器名とか小節数が書いてない(全部ではありません)ので実用的でないとか、色々不便な点も少なくありません。

しかし、単純に「この曲のスコアを手元においておきたい」といった場合に、Dover社のスコアは重宝します。

Dover社版の魅力は、なんといっても日本版のスタディ・スコア程度の価格で「価格が安い」ということに尽きますが、それでいてレギュラー版はB4判くらいで判が大きいので、読みやすい。もちろん書き込みも楽にできます。

そして、複数の楽曲が一冊に収載された「合本システム」で、大判でありながら置き場所も節約できます。
シューマンの交響曲は4曲が一冊に纏まっていますし、ベートーヴェンのピアノ協奏曲も5曲が一冊です。スクリャービンのピアノ・ソナタも一冊で全10曲が揃います。

私が重宝しているのは、ラヴェルとドビュッシーの弦楽四重奏曲の合本、ブラームスの「大学」「悲劇的」「ハイドン変奏曲」3曲の合本、チャイコフスキーやモーツァルトの後期交響曲集(第4番~第6番、第35番~第41番)、「20世紀の偉大なヴァイオリン協奏曲集」(シベリウス、エルガー、グラズノフ)、スクリャービンの《プロメテウス》と《法悦の詩》の合本、ラフマニノフのピアノ協奏曲全集、ベートーヴェンの序曲集(コリオラン、エグモント、フィデリオ、レオノーレ第1番~第3番)とウェーバーの序曲集(祝典序曲、オイリアンテ、オベロン、魔弾の射手、プレチオーザ、)、などなどですね。

シベリウス・ファンはスコア難民?!
シベリウスの、特に交響曲のスコアに関しては、楽譜出版社に馴染みのある方々はウィルヘルム・ハンセン社がすぐに頭に浮かんでくるでしょう。ハンセン社のスタディ・スコア全部揃えているなんていうシベリウス・ファンも少なくないでしょう。

しかし、このハンセン社のスタディ・スコア。現在では全て絶版になっていて、大判スコアのみを受注生産しています。
また、2000年代の終わりころから、ブライトコップ社が「シベリウス全集」を配本していて、昨年は待望の《フィンランディア》を含む管弦楽曲集(他に悲しき・叙情的な・ロマンティックな・騎士のワルツ等収載)が出版されました(が、直販価格で2万円後半です)。
しかし、交響曲の配本は2010年の第7番を最後に、ここ十年ほど出ていません。

つまり、今からシベリウスの交響曲のスコアを全部揃えようとしたら、ハンセン社の1万~2万円ほどの大型スコアをオンデマンドするか、ブライトコップ社の全集(価格はハンセン社と同等)の配本を待つしかない(あと10年くらいかかるかな?)。といっても、双方とも、日本の楽譜店でオーダーすると2万~3万円(第1番が3万円超えする書店も確認しています)するので、熱狂的なシベリウス・ファンくらいしか買えないでしょう。

また、日本人なら全音楽譜出版社のスタディ・スコアが1曲辺り2千円くらいで購入できますが、交響曲では第2番と第5番だけしか出版されていません。ショスタコーヴィチの交響曲は全部あるのにね。

ということで、現在、シベリウスの交響曲を全曲揃えるには、ハンセン社のスタディ・スコアの店頭在庫を漁るか、そのユーズドをオークションサイトか、Amazonのマーケットプレイスのようなフリマサイトで探すしかないわけです。

以上を理解していただけたら、Dover社でシベリウスの交響曲第6番と第7番が世に出る意義が、「価格以上にある」ということがおわかりいただけたと思います。

まあ、私自身はシベリウスの交響曲は一切聴かないのですが、全集の録音とスコアだけは手元においています。
もちろん、これも予約しましたよ。なお、Kindle版のリリース時期はまだ未定です。

【その他のDover社おすすめ出版】






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マーラーの交響曲のスコア全曲Kindle化!

2020.01.03(00:00) 1

マーラー交響曲が第1番~第9番まではもちろん、《大地の歌》、《亡き子をしのぶ歌》、《さすらう若者の歌》まで、全てkindle化されています。
トマーシュ・ネトピル&エッセン・フィル
kindle端末(私は2in1パソコン、YOGA BOOK[ヨガブック] ZA160040JPですが)があれば、電車の中でもスターバックスでも、どこにいてもマーラー交響曲スコアをどれでも読むことができます。「あの交響曲のあの部分、どうなってたっけ?」と突然湧いてきた疑問も、すぐに確認することができます。マーラー交響曲スコア全部持ち歩くなんて、紙の楽譜では無理ですからね。

また、端末のモニターの照度(明るさ)を極限まで暗くすれば(0‘ゼロ’にしても薄っすらと見えます)、コンサートホールでライヴ演奏を聴いている時でも、座席でスコアを見ることもできます。コンサートホールは、座席にもよりますが、紙の楽譜は視認できないほどの暗さがありますが、映画館のように真っ暗ではないので、モニターの明るさも目立ちません。

そして、ページを捲る際に音がしない(!)のはkindle版の最大のメリットかもしれません。

コンサートの後など、友人・サークル仲間とその日聴いたマーラー交響曲の話をするとき、バッグからサッとkindle端末を出して「今日の演奏のこの部分は・・・」なんてやったり、「そういえば、あの交響曲のあの部分なんだけどさ・・・」なんてやったりすれば、内容の濃い話ができるかもしれませんね。





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  1. 音楽配信でしか聴けないショスタコーヴィチ(1) ゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィル(01/06)
  2. スタディ・スコア全滅のシベリウスの交響曲、第6番・第7番の廉価スコア発売!(01/06)
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